国税庁ではタワーマンション購入による「行き過ぎた節税行為」に対する監視を強めているようです

様々なマンションの中でも、近年特に多くの人たちからの人気を集めているのが「タワーマンション」です。タワーマンションは高層マンション全般を指す用語であり、通常は高さ60m以上で20階建て以上のマンションがこれに該当することになります。

 

タワーマンションは立地の良い一等地に建設されることが多いため、一般的なマンションよりも高値で売買されています。タワーマンションについては居住用や投資用として購入されることはもちろんなのですが、さらに相続税対策として購入される場合なども多いようです。今回はタワーマンションを購入することによる相続税対策について、さらに具体的に解説してみたいと思います。

 

相続税の基本的な仕組みを確認してみましょう

まずは相続税の基本的な仕組みについて確認してみましょう。相続税の改正が行われ、2015年1月からは相続税が実質的に増額になりました。特に基礎控除について大きな変更があり、これまでは相続税が課税されなかった人についても今後は相続税が課税される可能性が高くなったのです。従来は相続する財産の合計額が「5000万円+1000万円×法定相続人の人数」までの場合には、全額が控除の対象となっていました。

 

しかしその後の改正により控除の対象は、「3000万円+600万円×法定相続人の人数」までに変更されたのです。例えば法定相続人が2人の場合には、非課税枠が7000万円から4200万円に減らされたことになります。これまでは相続税の非課税枠が大きかったため、一部の富裕層を除く大半の人の場合には相続税を心配する必要はありませんでした。しかし現在は非課税枠が縮小されたことにより、都市部の不動産などを相続する場合には相続税対策の検討が必要になったのです。

 

なぜタワーマンションの購入が相続税対策になるのでしょうか?

市場価格が高額であるにもかかわらず税法上は割安に評価されることが、タワーマンションの購入が相続税対策として人気を集めている理由となっています。1億円で購入したタワーマンションの場合には、税法上は2000万円程度で評価されることになるのです。例えば相続財産が現金で2億円であれば、税法上の評価額も2億円になります。

 

しかしこれが1億円で購入したマンションと現金1億円であれば、税法上の評価額は1億2千万円になるのです。近い将来に相続が発生することが予想される場合には事前に財産の一部でタワーマンションを購入しておくようにすれば、合法的に相続税の支払いを抑えることができるのです。

 

なぜタワーマンションは税法上割安に評価されるのでしょうか?

住宅の価格は税法上「土地の価格+建物の価格」で評価されます。これはマンションの場合にも同様なのですが、マンションの場合には集合住宅であるため土地については敷地全体を世帯数で割った分で評価されることになります。タワーマンションの場合には敷地面積に対する世帯数が特に多いですから、世帯当たりの土地の持ち分は一般的なマンションよりもさらに少なくなるのです。

 

首都圏などの人気エリアのタワーマンションは非常に高値で販売されているのですが、税法上は土地の持ち分が少ないため市場価格よりも割安に評価されることになります。ちなみにタワーマンションの場合には眺望の良い高層階ほど高値で販売されているのですが、土地の持ち分については高層階も低層階も同じように判断されますので、税法上の評価額は高層階も低層階もそれほど変わらないということになります。相続税対策としてタワーマンションを購入するのであれば、市場価格と税法上の評価額の乖離が大きい高層階を購入するのが有利なのです。

 

国税庁ではタワーマンション購入による節税を問題視しているようです

タワーマンションを利用した節税は法律を遵守した合法的なものなのですが、近年では最初から節税を目的としてタワーマンションを購入する事例が増加しているため、国税庁では2015年11月にタワーマンションを利用した相続税の節税を厳しくチェックするという方針を示しています。

 

今後はタワーマンションを利用した節税は租税回避行為とみなされる可能性が高くなりますので、節税目的でタワーマンションの購入を検討しているという人はくれぐれも注意をしてください。被相続人が相続の直前にタワーマンションを購入し、これを相続人が相続後すぐに売却した場合などには「ルールの悪用」だと判断される可能性があります。悪質だと判断されるとペナルティが加算される場合などもありますので、タワーマンションを利用した相続税の節税については慎重に判断することをおすすめしたいと思います。

 

タワーマンションを利用した節税は計画的に行うようにしましょう

相続の直前にタワーマンションを購入して相続後すぐに売却した場合には、その実態は現金の相続と変わらないというのが国税庁の見解です。国税庁では租税の公平の見地から、是正措置としてタワーマンションを利用した節税にペナルティを課すこともありえるとしています。

 

実際にどの程度の期間タワーマンションを所有していれば租税回避行為とみなされないのかについては、今のところよくわかっていません。明らかな判例や明文化された規定などは存在しませんので、国税庁による独自の判断が行われることになるはずです。

 

国税庁に「行き過ぎた節税行為」だと判断されてしまうと、節税をしようとしたのにかえって余計なコストが発生して損をしてしまうことになります。タワーマンション購入による節税を検討するのであれば、しっかりとした準備に基づいて計画的に行うことが必要です。また実際の手続きなどについては税理士などに相談をしてみてください。

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