住宅ローンを組むときに担保提供者になったらどんなことが起こる?

夫名義で住宅ローンを組むときに、妻が『担保提供者』にならなくてはお金を貸すことができない、と言われることがあります。しかし普通に生活していると『担保提供者』というキーワードを耳にすることがほぼありませんし「住宅ローンが組めるなら別に良いか」とアッサリ認めてしまうことも。

 

しかし住宅ローンが残っている不動産売却時には担保提供者の有無で対応が変わってくることがあります。そこでここでは担保提供者とは一体何か、どんな責任を負うリスクがあるのかを紹介していきます。

 

担保提供者って何?どんな立場なの?

担保提供者は『物上保証人』とも呼ばれています。大まかな概要を説明すると「他人の借金のために自分の土地や建物などの不動産を担保として認めること」。これだけ見ると正直なところ非常に分かりづらいですよね。

 

夫婦共同で住宅ローンを組む場合、例えば夫名義でローンを組む段取りを付け、頭金の一部を妻が負担するケースがあります。こういった時に担保提供者が必要となります。この例で言えば、頭金を出しているわけで、購入したマイホームの一部の権利を妻が握っていることの証明にもなるわけです。

 

万が一住宅ローンを返済することができず、『任意売却』や『競売』にかけることになったとします。しかし家の権利はローン債務者の夫だけでなく、妻も一部握っていることになり、それでは買い手が見つかりません。極端な例だと「リビング以外は購入できるけれど、リビングは妻のものだから売れない」という意味不明な状況が生まれる可能性があります。そんな物件は誰も欲しいとは思いません。

 

こういった事態を避けるために、妻に担保提供者になってもらいます。すると妻が権利を持つ不動産の領域を担保として認め、これで初めて夫が住宅ローンを組めるようになります。結果的に不動産売却時は担保提供者が担保として認めた家の部分も含めて任意売却や競売にかけられる、という仕組みです。

 

ちょっと分かりにくいですが…

 

  • 担保提供者が持つ家の権利が認められる
  • 担保提供者の権利を担保にすることでローンが組める
  • 担保以上の責任を負う必要が無い

 

この3点を覚えておけば大丈夫だと思います。『担保以上の責任を負う必要が無い』については以下で説明します。

 

担保提供者と連帯保証人とはどう違う?

残念なことに、本来なら担保提供者と連帯保証人は全くの別物です。しかし現状は「担保提供者=連帯保証人」として扱われていることが多く、混乱を招いているのも事実

 

担保提供者はあくまでも「自分の持つ権利を担保として認め、やむを得ない状況(売却しないとローンが返済できない等)になったら担保を手放す」ことが求められる存在です。つまり担保以上の責任を負う必要がありません。

 

一方の連帯保証人は、例えば1000万円の住宅ローンを組んだとき、債務者が返済できなければ連帯保証人が1000万円を返済する責任を負う立場にあります。要はローンを組んだ人と全く同じ責任を負わなくてはなりません。

 

このように内容は全然違うのに、どうして同じように扱われることが起こるのか…。担保提供者として署名する肩書に『担保提供者兼連帯保証人』とシレっと書かれていることに気づかないままサインしてしまうケースが多いからです。

 

ほとんどの人が「担保提供者って何?聞いたことが無い」という状況を良いことに、実質連帯保証人としてサインさせる金融機関は決して少なくありません。面倒かもしれませんが、一字一句見逃さず、しっかりと確認した上で署名するよう心がけましょう。

 

離婚時の担保提供者の有無がトラブルにつながることがある

離婚でマイホームをどうするのか、を考えると担保提供者の有無が重要になってきます。夫婦のどちらかがローン債務者(ローン名義人)になって、残りのどちらかが担保提供者になっている。

 

つまり夫婦両人に家の権利があることがハッキリとしている状況なわけで、例えば夫が「別れてからもこの家に住み続ける。君が出て行ってくれ」と言ったとします。しかし妻は「私は担保提供者なんだから、一方的に追い出される言われは無い!」と突っぱねることができます。

 

こういう状況に陥ってしまうとこじれるのは火を見るより明らか。ならば任意売却して住宅ローンを返済し、利益を分割、あるいは残債を分割するのが最も無難と言えるかもしれません。

 

終わりに

担保提供者になることがデメリット…と感じられる人もいるかもしれませんが、メリットもあります。自分の持つ権利を担保として住宅ローンを組むことを承認した人として扱われるわけで、言い換えれば家の権利を持っていることがハッキリと証明されるのはメリットです。

 

例えば近所に駅ができたり、大型ショッピングモールができたりなど環境が変わってマイホームの価値が大幅に上がったとします。もしも担保提供者でも何でもなければローン名義人が勝手に売却して利益を独り占めしても法的に文句は言えません。しかし担保提供者なら勝手に売却するのを法的に阻止する権利を持っています。担保提供者であることを理解することで、それが時には武器となってくれることも知っておきましょう。

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