行政による措置にも違いがある

違法物件は、「既存不適格建築物」と「違反建築物」に大別されます。このどちらも法的瑕疵物件となりますが、受け止められ方は大きく異なります。行政的措置の違いについても、お話ししておきます。

 

既存不適格建築物と違反建築物の違いとは?

「既存不適格建築物」とは、建築物にまつわる法令が改正されたことにより、すでに建っている建物が新しい規定に適合しなくなってしまったもののことをいいます。建物を建てた時点では、きちんと法令を守っていても、時代の移り変わりとともに、こうした事態が起こってしまうのです。

 

一方の「違反建築物」は、建物を建てた時点から法令を守っていない、あるいは増改築工事を行うことで法令に不適合になったもののことをいいます。具体的には、敷地における建ぺい率や容積率の制限、接道の条件、建物の構造上の安全基準を守っていない、もしくは建築確認申請をせずに建てた建築物を指します。

 

既存不適格建築物と違反建築物の行政的措置の違いは?

では、既存不適格建築物や違反建築物に対する、行政的措置はどうなっているのでしょうか。

 

既存不適格建築物については、建築した際には問題がなく、法令の改正によって不適合になっているため、持ち主に落ち度はありません。そして、すでに建っている既存不適格建築物をすべて違法とし、取り壊して建て直すことを命じると、社会的混乱が起こることが予想されます。そのため、実行時に適法であった行為を、法改正によってさかのぼって違法とはしない「法の不遡及」という考え方に基づき、行政側もある程度見逃すというスタンスをとっています。

 

ですが、違法建築物はそうはいきません。明らかに法令違反を犯して建てられた建築物ですので、特定行政庁は建築主や工事の請負人に対し、必要な措置を命令する権利を有します。そのため、建築物の除却や移転、改築や増築、修繕や模様替、使用禁止、使用制限などを、行政が命令することができるのです。この命令に従わないと、懲役3年以下あるいは罰金300万円以下の刑事罰に問われます。

 

売り主は違法物件を売却するにあたり、既存不適格建築物や違法建築物であることを、買主に対して告知する義務を負います。

一括査定ランキング


一括査定ランキングはこちら