再建築不可物件はリフォームで住みやすい建物にリニューアルしよう!
再建築不可物件のすべてが必ずしもダメで危険な建物とは限りません。例えば京都の古い街並みを散策すると、古き良き、後世に残すべきものとたくさん出会えます。いわゆる古民家だったり、古商店だったり。しかしこれらは再建築不可物件に該当することもしばしば。
こういった歴史や愛着など様々な理由からできるだけ残しておく、住み続けるべきだという考えも当然あります。そこで考えられるのが『リフォームやリノベーション』です。
もちろん再建築不可物件とはいえ、せっかくの不動産を持っているならどうにかして住みたいと思うのも当然です。そんなときはリフォームを検討してみる価値はあると思います。
再建築不可物件はリフォームOK!ただしやりすぎには注意
結論から言えば、再建築不可物件はリフォーム・リノベーションが認められています。ただし「増築とならない範囲内」「建物の形状を変えてはならない」の2点をクリアしなければなりません。
もしもリフォームの範囲を超えてしまうと建築基準法違反となり、行政から中止命令が下されたり、最悪の場合だと強制解体になってしまうことも。
とリスクは承知のところですが、よほど大規模なリフォームでなければ基本的には大丈夫です。例えば基本骨格や形状はそのままにしておいて…
- 耐震補強
- 断熱材
- 外壁の塗り替え
- 屋根の張替え
- 設備の入れ替え
などは行えます。例えば住友不動産の『新築そっくりさん』を始めとした古い建物を新築同様までリフォームするサービスは各社から提供されていて、元が古い建物だったとは思えないレベルに仕上げてくれます。
しかしネックになるのが費用の問題です。道路の問題、作業スペースの問題などから別料金が発生することも多く、ただのリフォームのはずが新築以上の費用がかかってくるケースも実際にあります。
増築、改築、再建築はできないので注意を
再建築不可物件のリフォームは認められていますが、増築・改築・再建築はNGとなります。
延べ床面積を増やすリフォームのこと。例えば1階建ての建物を2階建てや3階建てにするとアウト。また敷地内に新しい建造物を作るのも増築となってしまいます。
大きさや間取りはそのままに、建物を解体、または一部撤去して作り直すことを改築といいます。再建築とほぼ同じ意味を持っていますが、構造が変わっていないのがポイント。再建築不可物件では改築も認められません。
今ある建物を解体し、新築すること。
リフォームは原則確認申請を行う必要あり!ただし例外も
再建築不可物件はリフォームできます。どれだけ古く、ボロボロの状態でもフルリフォームすれば新築に近い状態を目指せるので、そういった意味では再建築不可物件も十分魅力のある不動産と言えます。
ただし原則として、リフォームするには建築基準関係規定に適合しているかの審査が必要です。つまり確認申請を行わなければなりません。詳しくは役所の建築指導課で話を聞きましょう。
ただ確認申請を除外できる特例もあります。具体的には『4号建築物(木造2階建て、延べ床面積500u以下)』が該当します。
終わりに
再建築不可物件は全体的に老朽化し、そのまま住むには不便に感じられることもしばしば。リフォームするときには柱、壁、基礎、屋根などの構造箇所を入念にチェックしておきたいものです。また災害対策のために、防火構造や耐震構造を取り入れることも視野にいれておきたいですね。
大がかりなリフォームになると新築同様程度の費用も予想されます。事前にリフォーム予算計画を立てて、本当にリフォームして住むのが得なのか、売却して新たな不動産を購入したほうが良いのかを考えてみましょう。
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